どうも更新サボりまくってるltakeshiです
そろそろ更新しないとなと思い続けて早3ヶ月過ぎ、マルホイさんのPC Gaming Advent Calendar 2017の記事も書こう書こうと思いながらそのままにしてました
そんな怠惰な日々を過ごしてた所にすごいニュースが飛び込んできましたね
既報をご存じの方も多いと思いますが、風雲急を告げる勢いで中国のPCゲーム環境が変わりつつあるようです
中国政府、Steamコミュニティをブロック開始か―ゲームプレイ自体はまだ可能
中国テンセントが世界向けゲーム配信プラットフォームに参入
対岸の火事だし正直WeGameってよく知らない、中国国内向けだろうし関係なかろうと静観を決め込んでたのです
しかし静観しておくのはまずいんじゃないかという考えがもたげてきたので書き散らしておこうかと
杞憂であれば良いなとは思うのですが
スポンサーリンク
さて、上記のように中国ゲーム市場が急激に動いてます
現状Steamはコミュニティがブロックされているだけでゲームプレイ自体は出来るようです
とはいえとりあえずそうなってるだけで今後も同様に続くかは非常に不透明だと思います
例えば「もはや反日感情を起こすのは難しい」中国で巨大ゲーマー集団を率いる謎の日本人男性が語る、変わりゆく大陸事情。当局が中国ゲーム産業に抱く思惑とは…?【中国ゲーム事情】から一部引用します
K氏:
これって理由があると思うんですよ。中国政府というのは、基本的にいつも同じやりかたをするんです。たとえば、Twitterに対しては微博(Weibo)【※】をぶつける。PayPalに対しては支付宝(Alipay)をぶつける。で、VISAに対しては银联をぶつける。Amazonに対しては淘宝(Taobao)をぶつけるといったように、世界で支持されているサービスすべてに国内で似たようなインフラを作ってぶち当てるんです。※微博
中国で最大級の規模を誇るSNSサービス。言わば中国版のTwitter。Twitterは、中国からは読み書きが不可能。
このように中国国内で対抗インフラを作った上で相手を排除していくと言う手はよく使われるようです
国際カジノ研究所所長 木曽崇氏も同様の内容をtwitterで書いておられましたね
西側のサービスを模倣するサービスを開始→西側サービスをブロック→国内産業として育成→十分な収益力を得てから国外展開。いつもの展開ですな。
中国テンセントが世界向けゲーム配信プラットフォームに参入 https://t.co/YIzLZFqoCk
— 木曽崇@「夜遊びの経済学」6月15日発売 (@takashikiso) December 20, 2017
中国としては人民が好き勝手に書けて中国共産党当局の管理下にないtwitterと同様の措置としてSteamコミュニティを潰すのは当然かと思います
ここで今後の展開として一つ気になることがあります
Steam本体は今後どうなっていくの?という事です
とりあえず考えられる方向としては三パターンで
- コミュニティは潰した状態で現状維持
- 取り扱えるゲームに対する干渉を行える状況で継続
- SteamをブロックしWeGameを世界展開
1は現状同様なのですが、2や2になると状況が結構変わってきます
2については1に対してより踏み込んで干渉を行うという観点ですね
考えられる方向としては、中国共産党の考えにそぐわないゲームの排除といったところですか
3についてはtwitter同様ブロックという事で見ることすら叶わなくなる悲しい状況ですね
Steamの変わりとしてWeGame使えって方向
今後2や3の方向で話が動いていった場合、私が懸案してることは主に以下の二点です
- ゲーム表現が中国共産党の管理下に入る可能性
- WeGameにSteamが負ける日
ということでここからはこの二点について掘り下げていきたいと思います
ゲーム表現が中国共産党の管理下に入る可能性
さていきなり大上段に出ましたが上記2に移行していった時に結構ありそうな未来の話です
例えば現在のハリウッド映画で中国市場を見据えてある種中国共産党に睨まれないような映画が出てるというのはよく聞く話ではあります[1]閑話休題ではありますが、キングコング: … Continue reading
今後そうなった場合という仮定の話で恐縮ではありますが、Steamで販売されてるゲームに対して中国からの干渉が発生するといった場合同様のことが起きるんじゃないかと思います
ただ単にゲーム内登場人物に中国人が出てくるというのは問題ではないのです
ゲーム開発費の高騰が様々なところで出てる昨今、中国市場をあきらめるという事が出来なければ自然中国共産党の干渉を受けないゲーム内容になると言うことは大いにあり得るかと
これは単に中国共産党批判等をしなければ良いと言うことではなくもっと踏み込んだ内容になる可能性すらあります
例を挙げるならば中国ではSFにおけるタイムトラベルという題材は禁止になっています
報道されてる物としては 中国でタイムトラベルの映画やテレビドラマが禁止に 理由は「歴史軽視」という記事があります
要は中国共産党体勢に疑問を持つ可能性がある物はNGです
togetterまとめではありますが以下のようなまとめも存在しています
中国における外国映画への表現規制基準(明文化されていないもの)
中国サブカルは日本を超える…と思ったら今も規制多数「名探偵は警察を侮辱」「タイムトラベルは現状への不満だ」
上記のまとめ内での言及もありますが結構きつめな内容です
このような映画ですら入ってる表現規制が今後ゲームにも反映されるってのは容易にあり得ると思います
ということで個人的に最大の懸案事項に移ります
WeGameにSteamが負ける日
個人的に考え得る一番最悪のシナリオです
これは今後10年や20年といったスパンでゆっくり進んで行くんじゃないかと思います
恐らく最初は中国でSteamがブロックされた後中国国内では当然WeGameが盛んになるという状況から始まるかと
先日Steam利用者で簡体字中国語を利用している人が56%にもおよんだという発表がありました
Steam、2017年10月度調査にて中国ユーザーが記録的な激増―『PUBG』も影響か
このようなことを考えるとSteamが中国でブロックされた場合SteamとWeGameで利用者を二分する状況が生まれる事が当然想定されます
まぁ上記記事本文中でも触れられていましたが厳密に中国地域からの接続をチェックしたものではない
ので現実には二分とまでは行かないかもしれません
しかしながらSteamの同時接続ユーザーが1400万人、月間アクティブユーザーは6700万人に達しているようです
こういう事を鑑みると、同時接続で数百万人月間もの中国人ゲーマーがいるのは確実でありアクティブユーザーはさらに多くなると思われます
先述の仮定のようにSteamが完全ブロックされてWeGameのみという環境になった場合どのようになるのでしょうか
楽観的にたてば単に中国人ゲーマーの市場とそれ以外の人々の市場に分かれるだけという見方になると思います
しかし私はそのような楽観的な観点に立てません
なぜならばWeGameというのはイコールで中国市場です
ハリウッドですら中国市場を見据える時代に欧米や日本のゲームメーカーが中国市場を諦めるという選択肢は無いでしょう
しかしながら中国市場のみを見据えるもしくは中国市場を無視したゲームを各社が開発すると言うことも無いでしょう
つまりSteamとWeGameで同じゲームが配信される時代が来る可能性があるということです
また中国共産党の方針で中国資本の入ってるゲームはWeGameのみの配信と言う可能性すらあります
例を挙げるならLeague of LegendsをWeGameでの配信に切り替えるといった事ですね(LoLを開発しているライアットゲームズはWeGame開発の中国・テンセント社子会社です)
現状専用クライアントでのプレイとなってるようですが中国共産党の意向次第で切り替えるという事すらあり得る訳です
といった具合でSteamに無いラインナップが可能な市場という点から世界展開していきながらSteamでもリリースされてる大作ゲームも押さえていくという展開が想定できます
こういった動きを10年20年といったスパンで進めていけばどこかのタイミングでSteamよりWeGameの方が魅力的という状況が生まれる可能性があります
最後に
以上長々と可能性の話を書いてきました
当然一素人がさして根拠がある訳ではない可能性について書き連ねてきたわけですが、皆様の目には如何見えたのでしょうか
流石に妄想が過ぎるよなのでしょうか、それとも有りそうな可能性だよななのでしょうか
できれば10年後にこの文章を読んだときに俺考え過ぎだったんぁと思えるような未来になってることを望みます
References
↑1 | 閑話休題ではありますが、キングコング: 髑髏島の巨神では主要登場人物にも関わらずなぜか何もしないという中国人の女優がいましたね どっかの雑誌で中国向けのアピールの一環じゃねぇの的な言説がありましたがさもありなんといった所でしたね |
---|
スポンサーリンク
コメント